VMWare Player7 ProとCentOS7でWebテスト環境を構築する

こんにちは。最近ではめっきりサービスエンジニアのような仕事ばかりのkskeです。

 

さて、表題の通りですが、最近、また新しくCMS等をインストールするテスト環境を新しくしないといけなくなったので、覚え書き程度に。

テスト環境仮想化のメリット・デメリット

まず、WindowsなどのデスクトップにWebのテスト環境を構築する場合、ほとんどの場合手軽なXAMPPBitnamiなどを使うと思いますし、個人主体でテスト/Webの実装を行う場合は、おおよそ充分だと思います。

ただ、それでも敢えて仮想化するメリットとしては、

  • 実環境(納品環境)に厳密に合わせたソフトウェアのバージョン、プラグインなどを用意出来る
  • 環境のコピー、バックアップが容易
  • 個人で用意した環境を更にサーバー上に移すことでスムーズに共同作業に移れる
  • 基本的なセットアップを終えた仮想マシンを保存することで再利用が出来る
  • (仮想的な)ハードウェア環境を変更出来る
  • 個別にIPアドレスを割り当てられる

ほとんどのものが一般的に仮想環境の利点ですが、ハードウェアの割り当てを変更できるのは、特にレンタルサーバーなどに納品する場合など、制約が大きい時に事前にテスト出来るという意味合いで重宝しています(もっとも、混雑などにもよるので充分ではないですが)。

また、個別に、ホストマシンとは別にIPアドレスを割り当てられる利点ですが、Webサイトのテスト環境でサイトを切り替える場合、VirtualHostなどを用い、ドメインでアクセスするサイトを切り替える場合が多いと思います。

ただ、スマートフォン、タブレット向けの開発などで実機による検証が必要な場合、ローカル内でのドメインの設定は正直とても面倒くさいです。デスクトップだけであればhostsファイルの編集などでも対応出来ますが、簡単にテスト環境を構築したいだけなのにローカル向けのDNSを立てて、検証用の実機のDNS設定を変更……、など本末転倒もいいところです。

この点、仮想化し、ブリッジ接続などで個別のIPアドレスを割り当てれば、検証用の端末で該当IPアドレスにアクセスすれば動作しますから、極端な話、クライアントへのデモなどにも対応が可能です。

逆にデメリットとしては、

  • サーバーにファイルをアップロードしなければならない

という、何のためにローカルに環境を用意するか分からない、本末転倒な状況になります(外部に大事なデータを置かないというセキュリティ的な面はありますが)。

これに関してはVMWare Playerの場合、VMWare Toolsをインストールしてホストのフォルダをマウントすることで対処出来ますが、環境の移動などのメリットを捨てることになりますので、別の方法で対処したいと思います。

VMWare PlayerへのCentOS7のインストール

では、まずVMWare Player7のダウンロードとインストールから。これは特に問題ないと思うので割愛します。VMWare Playerは評価・非商用目的なら無償ですが、テスト環境でも仕事に使う場合は有償なので、きちんとライセンスを購入しましょう。

約17,000円ほどですが、メリットを考えれば安いものですね 🙂

 

続いて、CentOS7をインストールします。選定理由は特にないです。ただ、某有名VPSなんかにCentOS系が採用されていたりするので、最新版の7を触っていても悪くないかな、というくらいです。

特に、CentOS7は6以前と比べてセキュリティ絡みの設定等が変わっているので、それに馴れておきたいというのがありました。

CentOS公式

まずはCentOS公式からCentOS 7 のminimal install isoを入手します。Get CentOS 7 Now ボタンから、ダウンロードページに行き、目立たないですがページ下部にある Download the Minimal ISOをクリックしてディレクトリを表示します。

通常、Actuary Country以下に国内のミラーサーバーが表示されるので、感謝しながら空いてそうなミラーサーバーを選択します。

記事執筆時点では、URL末尾が

centos/7.0.1406/isos/x86_64/

のものが最新ですが、バージョンによって変化するので注意してください(旧バージョンのディレクトリはなくなる場合もあるようです)。

ディレクトリ内には、各種ISOが並んでいますが、

CentOS-7.0-1406-x86_64-Minimal.iso

CentOS-7.0-1406-x86_64-NetInstall.iso

のいずれかを選んでダウンロードしてください。NetInstallはMinimalより更にファイルサイズが小さいですが、インストール実行時に必要なファイルをダウンロードする必要があり、若干面倒臭くなっています。バージョンに応じたFTPサイトのアドレスがインストールの際に必要となるため、特に理由がなければMinimalの方を選択して問題ないでしょう。

NetInstallの方を選択した場合、isoとして用意されていないWebサーバー向けのインストールなども行えますが、将来的に厳密にテスト環境を作らなければならないときのことを考え、今回は勉強のためにMinimalから構築していきます。

仮想マシンの新規作成

まずはVMware Playerの初期スクリーンから、新規仮想マシンを作成します。

CentOS 64bit版の場合、VMwareが対応しているので簡易インストールが可能ですが、細かい設定が出来なくて逆に不便なので、「後でOSをインストール」を選択します。

簡易インストールではこのように、基本的なインストールのオプションをVMwareのGUI上で設定できるので、楽が出来そうですが、どうせCentOSのインストーラーもGUIなので余り変わりがありません。

「後でインストール」を選択した場合、このようにインストールする「予定」のOSを選択することになります。恐らく、ハードウェアのプリセットをここで決定しているのだと思います。

続いて仮想マシンの名前と、保存する場所を決めます。通常はデフォルトのまま(Documents/Virtual Machines以下)で問題ないでしょう。

仮想マシンの名前は、基本的なセットアップを行った後に仮想マシンをコピーして、複数のテスト環境を構築出来るようにしたいので、ここではコピー元だと分かるように「CentOS7Base」としました。

次に仮想マシンに割り当てるディスク容量と、格納方式を選択します。

ディスク容量はデフォルトで20GBが推奨されていますが、最小インストールなのでここでは5GBまで減らしました。

また、複数ファイルに分割しても今回はディスクサイズが小さいので問題は起きないと判断してこちらはデフォルトのまま、「複数のファイルに分割」を選択しています。

最後に仮想マシン作成の確認画面が表示されますが、ここで完了をクリックする前に、「ハードウェアをカスタマイズ」ボタンをクリックして、ハードウェア構成を変更します。

サーバーのパフォーマンス等を修正したい場合はメモリやプロセッサの項目をいじりますが、ここではネットワークアダプタがデフォルトでは「NAT」となっているので、「ブリッジ」を選択し、物理ネットワーク上に直接IPアドレスを持てるようにします。

更に、新規 CD/DVD(IDE)の設定で、「物理ドライブを使用する」から「ISOイメージファイルを使用する」に変更し、先ほどダウンロードしたISOファイルを選択します。

ハードウェア設定画面を閉じ、完了ボタンをクリックすると新しい仮想マシンが作成されます。

新しい仮想マシンが作成されているのを確認したら、ダブルクリックするなり、各所にあるボタンをクリックするなりして新しい仮想マシンを作成します。

CentOSのインストール

ブート画面がでるので、Install CentOS 7を選択してOSをインストールします。

しばらく、ずらずらーっと文字列が表示された後、言語選択画面がでますので、日本語を選択します。

日本語でインストールを開始すると、キーボードも自動でJP配列が選択されますが、US配列などを使用している場合は、キーボードの設定を変更してください。

また、見切れてしまっていますが、「インストール先」および「ネットワークとホスト名」を設定していきます。

インストール先は通常、自動選択された設定で問題ないので、「インストール先」をクリック後、設定画面を確認したら「完了」ボタンをクリックすれば問題ありません。

続いて、ネットワークとホスト名を設定します。

ネットワークの設定

基本的に、Ethernetが「オフ」の状態となっているのでこれを「オン」に変更します。

ホスト名もそのままでも問題ないですが、気持ちが悪いので適当に割り当てます。

また、このままだとDHCPクライアントとして振る舞ってしまい、IPアドレスが不定となってとても困るので、画面右中央辺りに見切れている「設定」ボタンをクリックします(画面はDHCPクライアントとして自動設定された状態、環境によってことなります)。

まず、「全般」タブ内から「この接続が利用可能になったときは自動で接続する」にチェックを入れます。

※以下は個人宅や小規模オフィスであれば問題ないですが、専門のネットワーク管理者がいる場合等は管理者の指示に従って設定して下さい。

「IPv4 のセッティング」タブに移り、方式を「手動」に切り替えます。

アドレス以下の「追加」ボタンをクリックし、任意の固定IPアドレスを入力します。固定IPアドレスはルーターから貸与されるDHCPの範囲外であることが望ましいですが、大きい数値であればほとんど重複することはないのでよく分からない場合は適当に大きい数値を入れて下さい(繰り返しになりますがネットワーク管理者がいる場合は指示に従って下さい)。

通常、家庭や小規模オフィスで運用されるIPアドレスは192.168.x.1~254で、xの値までを揃え、その後の値がそれぞれのハードウェアや仮想マシンに割り当てられます。

末尾の1は通常ルーターに割り当てられますので、2~254の値までとなります。わたしは201以降を仮想マシン用としています。

このように大きい数値であればほとんど問題は出ないですが、ルーターの設定でDHCPのIPアドレスの貸与幅は変えられるので、きちんと運用するのであればルーターのマニュアルを参考に設定してください(11~100までを貸与し、他はファイルサーバーやコピー機など固定IPアドレス用としているオフィスも多くあるので確認してください)。

ネットマスクに関してはIPアドレスが正しい数値が入力されていれば自動で入力されます。また、ゲートウェイとDNSサーバーに関してはルーターがDHCPサーバーの機能を持っている場合は、ルーターのIPアドレスを入力してください。

それ以外の場合は、それぞれのネットワーク管理者にお問い合わせください。

「保存」ボタンをクリックし、「ネットワークとホスト名」ダイアログに戻ったら一度ネットワークをオフにした後、もう一度オンにし、設定したネットワーク設定になっていることを確認後、こちらも「完了」をクリックして閉じた後、「インストールを開始」します。

ユーザーの作成とrootパスワードの設定

このようにインストールが開始されますが、バックグラウンドで進行するので、その間にrootパスワードと新規ユーザーを作成します。

外部に公開する予定がなくても、最低限rootのパスワードと管理アカウントは作成します。

「このユーザーを管理者にする」としておくと、su(sudo)コマンド等でrootに昇格できますのでrootで直接ログインしなくてもよくなり、セキュリティ上望ましいです。

ここではとりあえずrootのパスワードと、管理ユーザー「admin」だけ作成して次に進みます。

ここまで完了すると画面右下に「設定完了」ボタンが出現するので、クリックしてインストールを進めます。少し待つとインストールが完了し、再起動ボタンがやはり出現しますのでクリックしてOSのセットアップを完了します。

ここまでで、CentOSのVMwareへのインストールは完了です。

次回は各種サーバーのインストールを行っていきます。

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