【中小企業経営者必見】ChatGPT(o3-mini)をビジネスに活かす!プロンプト活用集と基本ガイドライン

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はじめに

中小企業診断士の坂井です。

中小企業の経営者にとって、社内外の情報収集や顧客対応、経営判断など、多岐にわたる業務を効率化することは大きな課題です。そんな課題解決の一助として、ChatGPT(o3-mini)をはじめとする生成系AIツールの活用が注目されています。

本記事では、中小企業診断士としての視点から、ChatGPT(o3-mini)を使いこなすためのプロンプト例と、情報漏えいリスクなどを回避するための基本的な注意事項をまとめました。

ChatGPT(o3-mini)とは?

ChatGPTは、OpenAIが提供する大規模言語モデルを活用した対話型AIサービスです。その中でo3-miniは軽量かつ無料利用が可能なバージョンで、一般的な情報収集やアイデア出しに十分対応できます。
しかし、無料版であるがゆえに情報保持期間や回答精度に制限がある場合もあり、o3-mini-highDeepResearch版に比べると、高度な分析や専門領域の深掘りが苦手とされています。ただし、中小企業の現場での活用範囲としては、日常業務の支援に十分活用可能です。

ChatGPT(o3-mini)を使ったビジネスシーン別プロンプト集

1. 営業編

1-1. 競合分析

「○○社」の分析をしてください。主な強みと弱み・価格・主な差別化要因・顧客フィードバックなどを分析してください。
  • ポイント: 競合他社や業界プレイヤーを客観的に分析してもらい、自社戦略を立案する材料に活用。

1-2. プレゼンテーション資料作成

自社のミッション・ターゲット顧客・製品利点を含むプレゼンテーションのアウトラインを作成してください。
  • ポイント: 事前にミッションや製品概要をまとめ、「あなたは優れた営業担当者です」などの指示を入れることで、営業視点の案が得られやすい。

1-3. 商談フォローアップメール作成

商談プロセス進捗確認のためのフォローアップメールを作ってください。
  • ポイント: 文章作成に苦手意識のある方でも、簡潔で丁寧な文面が得られるため営業活動がスムーズに。

1-4. 反対意見へのトークスクリプト作成

以下の情報を使用して、顧客からの反対意見に対処する効果的なトークスクリプトを作成してください。
  • ポイント: コピペ時に個人情報を入れないよう注意。プロンプトに「せっかちな顧客」「コストに敏感な顧客」など細かい属性を入れると、より具体的なスクリプトを得やすい。

2. 製作進行編

2-1. カスタマーサービス回答テンプレート

あなたはカスタマーサービス担当者です。顧客からの問い合わせに対する回答の雛形を生成してください。
  • ポイント: サポート対応の標準化に役立つ。回答フォーマットが定まっていると、スタッフ間で品質が安定します。

2-2. Q&Aの作成

あなたはカスタマーサービス担当者です。製品○○について、お客様が疑問に思いそうな質問とその回答を5組提案してください。
  • ポイント: よくある質問(FAQ)を自動生成して、顧客対応の効率化を狙う。製品情報を詳細に入れると精度UP

2-3. せっかちな顧客対応

あなたはカスタマーサービス担当者です。せっかちな顧客へのベストな対応方法を教えてください。
  • ポイント: 顧客心理を踏まえた対応策を提案してくれる。具体的な顧客状況を提示するとさらに細かい対策を得られる。

2-4. 苦情対応策の提案

あなたはECサイトのカスタマーサービス担当者です。ある顧客からの苦情(○○)に対する適切な解決策を提案してください。
  • ポイント: 実際のクレーム内容を入力する際は個人情報を排除し、一般化したうえで相談を。

2-5. フィードバック用アンケート作成

あなたはカスタマーサービス担当者です。顧客満足度向上のため、利用者からフィードバックを集めるアンケート質問文を考えてください。
  • ポイント: 質問数や内容のバランスを調整しやすい。アンケート結果の分析プロセスも併せて依頼すると便利。

3. 流通編

3-1. Excelでの在庫分析

Excelで在庫データから最も売れている商品を特定するにはどうすればいいですか?
  • ポイント: 具体的な関数例(SUMIF、COUNTIF、ピボットテーブルなど)を出してもらうことで、社内スタッフが手軽に利用できる。

3-2. 在庫需要予測

過去のデータを基に、次期の在庫需要予測を行うための方法を教えてください。
  • ポイント: 移動平均法や回帰分析など、AIによる高度な予測手法以外にも実務的なアプローチを提案してくれる。

3-3. 過剰在庫を避ける戦略

過剰在庫を避けるための戦略を教えてください。
  • ポイント: 在庫回転率の向上策や、サプライチェーンマネジメントの最適化など、経営的観点からのアドバイスが得られる。

4. コンサル / 経営層向け

4-1. リスク分析と軽減策

[具体的な経営シナリオ]における潜在的なリスクを特定し、それぞれに対する軽減策を提案してください。
  • ポイント: 例として「新規事業の海外展開」「価格引き上げのタイミング」「コスト削減策」などを設定。o3-mini-highDeepResearch向けでは詳細かつ的確な分析が期待できる。

4-2. メリット・デメリットの比較

[具体的な経営判断]の実行におけるメリットとデメリットをそれぞれ教えてください。
  • ポイント: 事前に目標や背景を詳述すると、より実践的なメリット・デメリットの分析が得られる。

4-3. A案とB案の影響比較

A案とB案を選択した場合のそれぞれの予想結果と影響を比較してください。
  • ポイント: 経営会議でのシミュレーションに役立つ。詳細な数字が必要ならあらかじめ加えると良い。

4-4. 業界動向・主要企業リストと将来予測

〇〇業界において、主要企業リストと短期および長期の業界予測を提示し、最近の動向が将来に与える影響を説明してください。
  • ポイント: 市場規模や競合動向、消費者嗜好の変化を多角的にチェックできる。最新情報が必要な場合、日時を指定すると回答が得やすい。

4-5. 新規事業・市場分析

〇〇業界の現状と、中小企業にとってのビジネスチャンスの可能性について詳細に分析してください。
新規に〇〇業界でビジネスを始めるため、事業計画書のアウトラインを作成してください。
  • ポイント: 市場調査から事業計画立案まで一連の流れを効率化。自社リソースや強みを付加情報として入れると具体性が増す。

4-6. 経営者の時間管理

ビジネスオーナーが時間を効果的に管理するための戦略を3つ挙げてください。
  • ポイント: マルチタスクに追われる経営者が取り入れやすい時間管理術をAI視点で提案。

4-7. ニッチ市場の提案

〇〇業界内で成長の可能性があるニッチ市場を3つ提案してください。
  • ポイント: 既存顧客との連携強化や、ブルーオーシャンを探るヒントが得られる。

4-8. SNSマーケティング案

自社製品〇〇に関して、若年層の興味を引きエンゲージメントを高めるTwitter投稿のネタを5つ考えてください。
  • ポイント: SNSでの顧客接点を増やすためのネタ出しに。製品の特徴やターゲット層を明示的に示しておくとより実用的。

5. 予算・キャンペーン提案(o1向け)

限られた予算内で〇〇商品の販促アイデアを提案してください。創造的で話題性のあるキャンペーンになるよう工夫してください。
  • ポイント: o1版のような上位モデルであれば、さらに細部まで踏み込んだアドバイスが期待できる。

基本的なガイドラインと注意点

  1. 個人情報や企業秘密の入力は厳禁

    • 氏名・メールアドレス・電話番号、顧客リストなどは必ず伏せ字やIDに置き換えてください。
    • 企業秘密や守秘義務があるメール内容のコピペは避けましょう。
  2. 専門性や視点の指定

    • 「あなたは優れた営業担当者です」「あなたは経営コンサルタントです」など、回答に欲しい視点専門性を明確に伝えましょう。
    • 不足情報があると、o3-miniでは追加の質問が返ってくる場合があります。
  3. 質問の目的やゴールをはっきり伝える

    • 「○○を教えて」ではなく、「○○する方法を3つ教えて」「○○のポイントを箇条書きで」など、求める回答の形を指定すると精度が上がります。
  4. 必要な前提やデータを含める

    • 具体的な製品情報や売上データなど、可能な範囲で提供しましょう。一般論ではなく、実用的なアドバイスを得られます。
  5. 回答の形式を指定する

    • 箇条書き、ステップ形式、文章体など、用途に応じて指定すると読みやすい回答になります。
  6. シンプルな日本語で書く

    • 長すぎたり複雑な指示文は避け、複数回に分けて質問する方が正確です。
  7. 意図と異なる回答の場合は再質問

    • 「○○をもっと詳しく」「△△にフォーカスしてください」と追加で依頼し、プロンプトを修正しながら試行錯誤しましょう。
  8. 無料版の制限に注意

    • o3-miniでは高負荷時にレスポンスが遅れたり、制限に達しやすいことがあります。重要案件はo3-mini-highやDeepResearch版も検討を。

まとめ

ChatGPT(o3-mini)は、中小企業の営業・製作進行・流通・経営戦略など、あらゆる領域でサポートできるポテンシャルを持っています。ただし、個人情報・企業秘密を扱う際のリスクや、無料版特有の制約にも気を配る必要があります。

  • まずは本記事でご紹介したプロンプト例やガイドラインを参考に、簡単なやり取りから始めてみましょう。
  • 経営課題を絞ったうえで、質問内容を具体的にすることで、より実践的な回答が得られます。
  • 中小企業診断士としては、AI活用の最大化と同時に、守秘義務や個人情報保護にも十分な配慮を行うことが不可欠だと考えています。

さらに詳しいリサーチや高度な分析が必要な方へ

  • 筆者である中小企業診断士の坂井は、DeepResearchも活用しており、Web上からの詳細なリサーチを代行できます。
  • 中小企業診断士・経営コンサルタントとしての知見(マーケティング手法・課題解決のフレームワーク・行動経済学など)を組み合わせることで、顧客ごとの詳細なリサーチ精度をさらに高めることが可能です。
    • たとえば、マーケティングの知見を活かして適切な仮説設定を行い、その仮説をもとにDeepResearchで検証することで、より正確かつ実践的な戦略を導き出せます。
    • 課題に対する仮説設定や試行錯誤のプロセスを踏むことで、リサーチ内容そのものを継続的に改善できる点も大きなメリットです。
  • 更に、筆者はChatGPTを最初期から活用しており、経営診断とLLMの利活用双方に精通し、かつ経験を有した、現状では数少ない人材となっています。

AIツールの活用に不慣れな方、あるいはより深い専門的なサポートを必要とされる方は、お気軽にご相談ください。

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